Yukaringo

PERFECT DAYSのYukaringoのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

なぜだかいい映画だと思った。しかし、何が良かったのか全く説明出来ない。ただただ中年のトイレの清掃員が、毎日朝早く起き、植物に水をやり、仕事に行き、仕事が終わると銭湯に行き、一杯飲んで帰る。寝る前に小説を読む。という毎日を繰り返す。また、週末には週末のルーティンがあり、洗濯をし、別のスナックで酒を飲むといった本当に日常そのものを映しているだけだ。

この映画は、夫と一緒に観に行き、観終わった後、映画の感想を話しあったが、夫は「監督は、トイレと高速道路フェチに違いない」と言った。
私はこの映画の何処が良かったか説明を出来なかったのだが、この夫の言葉が妙に私を納得させた。

これは、私がもつある種のフェチのようなものが”良い映画”だと思わせているのではないかと思った。
私は、掃除や物が綺麗になっていく過程を見るのが好きだ。そして、ルーティンはもっと好きなのだ。
だから、You tube で、他人のモーニングルーティンや、掃除の動画をついつい見てしまう。それと似た感覚かもしれない。何故か落ちつくのだ。おそらくこの映画のファンには、私のようにルーティンを愛する人もいるだろう。日々ただ同じことを繰り返すことに居心地の良さを感じる人は少なくないと思う。

なので、私のこの映画の感想は、どのカテゴリにも入らないエンタメとして取り扱うしかなくなってしまう。ストーリー、映像、音楽、演技の中はどれも申し分なく良かった。

しかし、他人の日常生活のルーティン映像の中で一番心地のよい映像という表現が一番適切な気がした。
Yukaringo

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