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PERFECT DAYSのQMのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.2
いよいよ都内でも上映館が限られてきた。すべりこみで鑑賞。この手のは映画館で見なくてもいいのかな〜と思っていたのだが東京ポッド許可局であまりによく言及されるので耐えかねて。

聴いてた話から、もっと淡々として変わらない毎日と日々を彩るおしゃれなカルチャーに染まったイケオジな平山の慎ましくも文化的生活の話だと想像してたので、意外と感情を揺れ動かすプチ事件が多く、近親者との接触に涙する姿にはびっくりした。「貧困」に関する批判的な意見にも事前に目を通してたけどそこは特に気にならなかった。全体的にとにかく台詞が少ないので、たまに耳にする会話の陳腐さが目立ったような。日本の言語や文化的なところは外国人監督の場合誰がどんなふうに質を担保するんだろう。良くも悪くも「都合の良さ」は終始感じてしまったが、平山に将来の自分を投影しながら見ている部分もあり、毎日同じことの繰り返しだということを伝えるためにルーティンをなぞる時の端折り方が自然な点はとてもよく集中力がギリ最後まで維持された。変化が少なく人との関わりが多くないと、本当に些細なことがビッグイシューとなって夢に出てきたりするんだよな本当に。平山が見る夢の描写にはもう少し彼の過去や日々読んでいる本の内容が絡んでも良いのではと思った。あの古本屋はとても良い店。それに、あのTokyo Toiletのつなぎをなるべく長く着させたいのはわかるのだが、濡らした新聞紙を散らした掃き掃除をするような綺麗好きな平山は家に入る前に脱ぐと思う。そういう些細なところに「?」が多くてなんか大好きにはなれない。最後のシーンは茨木のりこの『自分の感受性くらい』が頭によぎったのだけどちょっと音楽に頼りすぎでは。
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