ちょうどいい

PERFECT DAYSのちょうどいいのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3
これ、青好きと和モダンなインテリア好き(※アウトな小品も多々あり)、東京散歩好きで、何なら和花好き(※湯呑みのプランター はいただけないが)や洋楽好きには堪らんな。

何十回⏸️ボタン押したことか…。

が…

①開始早々、素手でトイレ内のゴミを拾う平山と『THE TOKYO TOILET
』に違和感②殊更DEIを意識したダウン症のエキストラに鼻白む③ジャンプスーツとロゴ(の大きさ)に不自然さ④果たして、あぁ、またエスタブリッシュメントの狡猾(でもないが)な“ウォッシング”と利権かぁ、と嘆息。

もちろん、映画はそのほとんどが資本主義の権化みたいなもんなんだが、まぁ、エッセンシャルワーク(主人公の職業等)を周縁化し、窮状を全く理解していないユニクロや日本財団、電通、渋谷区長やらの男性的な視点と「youは何しに日本へ?」的な視点をミックスするとこういう超非現実的な“清掃員(もちろん非正規)”が描けるのかと…。

3点留めの真鍮ソケットや実験器具を使ったグースネックのテーブルランプ、玄関の古木を使ったシェルフ、民藝っぽいプランター 、ニーナシモン、ウィリアムフォークナー…。極めて懸隔している“一般的な”清掃員…。「いねぇよ、あんなディレッタントな清掃員」と独り言ち。

のっけのアニマルズは『コヴェナント』のアメリカに比肩するくらいイケてたのに…。

それにしても石川には水差されたなぁ。

不都合な真実(お仲間と税金の流れ等)を知っている側からすると、「平山さんの生き方素敵でしかない!」「平山さんの丁寧な暮らし、美しすぎる!」的な浅慮なコメントを引き出せた制作側のウォッシングは大成功でした。 トイレが舞台だけに…。

穿てばかなり社会課題と現出しているある意味“白眉”な作品で勉強になります。

オリンピック、万博と同じ構図ですね。

もちろん作品そのものは凪で、これと言ったパンチラインもありませんから、平山のルーティーンに禅を附会させているミニマルな「北欧暮らしの道具店」好きと「作家もの の器」好き、東京人以外は全く楽しめない可能性大です。