かいせい

PERFECT DAYSのかいせいのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

・最初にThe House of the Rising Sunが流れた瞬間、あっこれは自分にもどこか通じるところのある主人公だと思った
・が、蓋を開けたら平山は終始傷を負いながらも許し続けるキャラクターとして描かれていて、だからこそか彼の笑顔はとても拙く、怖ささえ感じる部分があった
 →藤子F不二雄の短編集「ボノム=底抜けさん」を彷彿とさせるような態度。自由意志の否定こそしていなかったものの、どこか諦観さえ思わせた。
・規則正しく暮らし、植物を愛で、本を読み、洋楽を聴くという文化ある生活がトイレ清掃業務の延長上に描かれていて、そこにある種の余裕さえ思わせていたが、中盤から翳りが見え隠れし、ラストNina Simoneのfeeling goodで何かが覆った
・家出した姪を迎えにきた社会的身分の高そうな姉を見て、あぁ結局平山にはおそらく文化資本を享受できるだけの知性が遺伝的に備わっているのかと思ってしまった自分の性格の悪さに驚いた
かいせい

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