Haruki

メイ・ディセンバー ゆれる真実のHarukiのレビュー・感想・評価

4.7
女優のエリザベスは、当時13歳だったジョーと不倫して投獄されたグレイシーを映画で演じることになり、役作りのために彼女たちと一緒に過ごす。
一見穏やかに見える交流の奥に潜む、それぞれの生々しい感情をひりひりした演出で描いたヒューマンスリラー。

幸福、愛憎、後悔、恥、罪悪感…
人間の心理の深淵に触れようとするストーリーテリングに惹き込まれる。

何が正常で何が異常なのか。
滑稽さと恐ろしさの間を行き来する人間らしい物語に心を揺さぶられる。

事件で注目を浴びたグレイシーと、見られる仕事である女優のエリザベス。

エリザベスが鏡に映るシーンがいくつかある。独りで映るときもあれば、グレイシーと並んで映るときもある。
グレイシーの姿を通して自分自身を無意識的に見つめながら、グレイシーに自身を投影しているよう。

ジュリアン•ムーアとナタリー•ポートマンの競演はとんでもなく見事で圧巻。
チャールズ•メルトンも素晴らしい。

劇伴もかっこよくて魅力的。
Haruki

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