ゆば食べたい

落下の解剖学のゆば食べたいのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

昨年から楽しみにしていた作品。
ミステリーかと思いきや全く違った。
ドキュメンタリーに近い。

『重要なのは事実ではなく、他人がどう受け取るか』

観客だけヒントをチラ見せ…はさせてもらえず、事件に関しては登場人物と同じだけの部分的な証拠しか与えられない。
サンドラに肩入れしたくなるけど、客観視したら1番怪しいのも事実。
自分も第三者として「どう受け取るのか?」を一緒に考えさせられる。

過去の日常生活や夫視点を映すような"観客に向けたネタばらし映像"が無かったことが、この映画のテーマを一貫して主張しているようで良かった。

裁判パートでは自分も詰められているような緊張感がある。
ただ検察官の居丈高な態度はフィクションぽくてなんだかな…という感じ。実際の裁判でもあんなコテコテな感じなのかしら?

裁判で勝訴!真相が明かされ、息子と抱きしめ合ってハッピーエンド!
…なんて陳腐な結末で終わらないのも良い所。
サンドラと同じように劇的な何かを期待してしまっていたけど、現実でも確かにそうだよな。ただ終わるだけ。


それから、主演のザンドラ・ヒュラーの演技力。サンドラが持つ複雑な感情が伝わってくる。
わんこもすごい!こりゃ確かに受賞するわ。
スワン・アルローは佐々木蔵之介感あってウフフって気持ちでした。