小麦番長

落下の解剖学の小麦番長のレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.4
【考察厨殺し】

パルムドールだしミステリーじゃないんだろうなぁと構えながら鑑賞。
結果肩すかし食らわず正解だったけど。


死んだサミュエルの生前の映像がやたら出たくる。
妻フィルター、息子フィルターで。
誰ぞの言葉じゃないけど「それってアナタの主観ですよね?」

法廷での参考人ほか、その他の場面でもひたすら誰かのフィルターのかかった「主観」を聞かされ、見せられる。

死の前日の激しい夫婦喧嘩の様子を、音声データなのに妻・サンドラ視点の映像として見せる。
“法廷ミステリーのよくあるパターン”なら、法廷で音声を流しながら、陪審員や被告や弁護士・検事・裁判長らがひたすら耳を傾ける様子を見せたりするだろう。

そして肝心の?何らかの暴力行為が行われている場面では音声のみとなる。


息子ダニエルが「父親は自殺だったのだと思う」きっかけとなった、父親との車中での会話。
父親の口の動きに合わせ、息子の声が重なる。
父親は自殺だったと思う、と主張する息子の声が。

観察官に「何が真実がわからないなら自分で真実を決めればいい」
とアドバイスされた息子の声が。


とにかく、観てる最中も鑑賞後もあまり面白くなかった。
が、「ワタシ、〇〇系好きじゃないからなー」などとカテゴライズする作品ではないのも解るので、単に「自分好みの作品じゃなかったフォルダ」に入れるのも違う気もする。

ひたすら映画に「正解」を求める考察厨、考察系YouTuberらを翻弄してる風にも思えて(きっとそんな意図は無いのだろうけど^^;)、考察に必死になってる彼らを想像するとなんだか滑稽に思えてきて、そこは楽しかったです。

‥‥

↑これってあなたの考察ですよね??

いえいえ、「感想」です。
小麦番長

小麦番長