ミステリーとしては消化不良かもしれませんが、裁判ものとして楽しめました。
めっちゃ「いいモヤモヤ」が画面に溢れていて、私的にはワクワクします。
謎が解けるかどうか、真実が明らかにされるかどうか、はこの映画においては「軽い」ものです。人間ドラマとして、キャストの演技や映像演出を楽しむ映画だなと感じます。
人間関係、特に夫婦関係を第三者が状況から考察するということの難しさと(他人事として、ゴシップとしての)面白さ、
息子が失明する事故の原因や相手への仕事のコンプレックスなどの複雑性、
真実に迫るためのピースはあるんですけど、
そこはあえて詰めないんですよね。そういう映画に仕上げている。
息子の証言…おもしろかったですね、あそこでまた「気持ちいいモヤモヤ」が倍増しますよね。
裁判とは、判決とは、真実かどうかではなく「解釈の先の判断」でしかない。それを、言葉でなく、セリフのないシーンでものすごく表しています。
また、傍聴席の人々を抜き撮るカメラワークがすばらしいです、最高の臨場感です。…あ、あと「犬」の演技がすごいっすね。