めんち

落下の解剖学のめんちのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.0
さまざまな「かもしれない」が出されて、しかし結論は曖昧なまま。
ミステリの言葉で述べれば、そんな多重解決のアンチミステリだろうか。
その分、カタルシスはない。
ただ、この映画はそれを含めて味わうものだろうから、これに不満を感じるひとがいるのも分かるけど、私としてはこれで納得。
冒頭の不穏な、似つかわしくない音から、事件までのシーケンスの不穏さや、スヌープの名演技、ダニエルが初めてと言っていいほど声を荒げるシーンなど、見どころはたくさんあるが、こういう、さまざまな情報を積み上げていく映画はそれなりに好きだ。
ただ、語学力の限界。
私には、英語もフランス語もほとんど聴き取れない言語だし、この彼女らがLanguageで受ける不当さはイマイチピンとこなかった。これは、それこそカンヌの人などならば納得いきやすいんだろう。
とはいえ上半期で見るべき一作には入るだろう一作。
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