IMAXやDolby Soundでなくても音響がビリビリと伝わってくる。その点では、映画館に体験しにいくに足る価値のある映画である。
一方この体験の強度に比べて、シナリオの強度の弱さが気になる。それは>>続きを読む
非常によかった。
最悪なピタゴラスイッチみたいに進むのだが、その「伏線回収」具合は、もっとマスに受け入れられるのではないだろうか。
アニメーション表現も脚本も良くて満足。
最後はこのスラップスティック>>続きを読む
音楽が印象的で良い。
リカコはあまりにも自分勝手だが、このような造形は男性には難しく、氷室冴子の筆致を感じる。男性が書けばもっと媚態を帯びるか、ただ性格の悪い感じになろう。
また、メインたる男子二人の>>続きを読む
これをどう評価すれば良いのか。
狐爪研磨の一人称が積極的に取り入れられ、それが負けたら終わりの試合への感情移入に役立っていることは否定できまい。
しかし、挟まれるカットは、原作やアニメ版を知らなければ>>続きを読む
バットマンをニンジャ的世界観に落とし込むことや、それを神風動画がやるのも面白い。
しかし個人的にはそこを超えてきてはくれなかった。
権力の空白地帯にISが進行してきたという、敵の次は敵で、そんな中東地域の平和が訪れない様を描いている。
気になったのは、なぜISはこの空白地帯に、スムーズにアクセスできたのか。
そのあたりの、背景の描>>続きを読む
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anoは、「anoアニ」の効果が出たのか、特徴的な声が「おんたん」に合っており、またその声質が変わらぬなかに機微も感じられて悪くない。また幾田りらの声も、良くも悪くも特徴の薄い声なので、浮かずに、また>>続きを読む
さまざまな「かもしれない」が出されて、しかし結論は曖昧なまま。
ミステリの言葉で述べれば、そんな多重解決のアンチミステリだろうか。
その分、カタルシスはない。
ただ、この映画はそれを含めて味わうものだ>>続きを読む
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映画として、個人的には好きである。
このようなスローシネマは好きだから。
また役所広司の佇まいを映す映画としても良いし、東京を、外国人監督という親日家であれど一枚普段と違うフィルターを通して観るという>>続きを読む
エマ・ストーンの演技は素晴らしい。
あと、美術も可愛らしい。
そのあたりは、アカデミー賞の評価は適切だと思う。
一方、フランケンシュタインのようなストーリーを経るのだが、物語は退屈である。
ベラが自我>>続きを読む
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記憶の中を探る旅は、その人のことを本当に分かっていたのかという問いを必然的に誘発する。
見えている/見えていない顔。
その二面性は私たちを不安にさせる。
そしてこの映画においてそれは、「壁を見るように>>続きを読む
シンプルに、この映画も脚色が上手い。
「紅」が軸になっているのと、歌うシーンが確かに青春映画の趣を感じさせる。これはひとえに齋藤くんの演技の賜物だと思う。
あと何と言っても白眉なのは綾野剛。
こんな>>続きを読む
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原作を一読した限りでは、不安な要素もあったけれど、うまく脚色された映画になっているという印象。
松村北斗演じる山添が、初めて栗田科学のジャンバーを羽織って、藤沢の忘れ物を届けるシーケンスにて映る、日差>>続きを読む
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当たり前なのだが、主人公のツチヤタカユキがちっともチャーミングじゃない。
チャーミングじゃない「笑いのカイブツ」として存在することを求められていて、それは冒頭の歪んだギターの音がするカットからも明示さ>>続きを読む
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とてもキレイなオチ。引き算みたいで。
だけど、そのオチもくだらなさが垣間見えて、そこも転がる時代なのかな、とか思い。
(最後に映った銃を持った彼は、きっとドーナツが食べれなかった、引っ込み思案そうな彼>>続きを読む
正直、映画として、ストーリーとしてどうなんだと思うところも多々ある。
どうしてこの役を用意したのかとか、どうしてここにこう配置したのかとか。
また、トワと園子は常識を解体していく。だからこそ、村田沙耶>>続きを読む
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伏線と呼ぶにはあまりにも展開の見え透いた脚本、チープなセリフ、ちょっとあまりにもなメッセージ性など、思うところはたくさんあるが、『シン・ゴジラ』よりははるかに大衆性を獲得しうる映画だと思う。
そこは、>>続きを読む
前作のオムニバス形式よりも、話に流れがある分観やすかった気がする。
こういう展開で、極めて人工的に作られてるのにエモーショナルになるから、ちょっと弱っちまう。
ただ、もはや演劇やれよ感は否めない
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脚本はかなりうまくできていて、雰囲気を変えるタイミングは早く、それでいて一瞬だけその「裂け目」を出して、また同じ空気に戻す。でも、確実に何かが変わっている。という展開の妙がある。
またテーマ的にも、フ>>続きを読む
群像劇の名作を鑑賞。
ときどき挟まれるシニシズムみたいなのがオシャレで、カットも素晴らしいところがいくつかあり、退屈せず観られる。
ただし群像劇の構造的に抱える問題として、盛り上がりにかけやすいという>>続きを読む
一瞬ウェットな流れに行きかけるのを、「いや」とするのは、演劇みたいで個人的には良かったが、映画的には不満に思うひともいるかもしれない、と思った。
途中の逃避行の場面のミコトがかわいい。
全体を通して、>>続きを読む
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予想より素直なストーリーで来たな、と思った。
ナツコを母として受け入れ、そして実母の死もあるような、そんな世界を受け入れ、その世界で生きていく、という話でしょう。
鳥は死の象徴で、そんな鳥たちが溢れ出>>続きを読む
主演の二人、奥平大兼と森七菜が素晴らしかった。
森七菜は、中見が恋に落ちることに説得力があるし、
奥平大兼は、あまり親しくない人が聞くとムカつく「は?」の塩梅が素晴らしく、中見だなあと思った。
あとは>>続きを読む
ハマのドンたる藤木の話だけならば、単なる人物伝で終わったろうが、ここに、彼と共に市民活動を行なった市民の話が絡んでくることによって、
複数人の人生が変わる話、具体的には政治的主体として目覚めていく話に>>続きを読む
貧困が描かれている! と言う触れ込みで見に行ったが、拍子抜けだった。
もちろん彼が苦しむことは彼のせいではない。しかしそこに彼は止まる。
そしてジョーカーはアイコンとなり暴動につながるのだが、ここにも>>続きを読む
哲学というよりは、ポジティブ心理学に、哲学の言葉を使っているような気がした。
哲学教室という部分よりも、北アイルランドの歴史や、絶望感の広がる空気のほうが興味深かった。
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おいおい長いよ、と思いながら観ていたら、「もうちょっとだけ続くんじゃ」だった。
まあ、この感じなら、無理にカタルシスに寄せられるより、あのエンディングでいい感じがある。冒頭のかっこいいシーケンスとの対>>続きを読む
冒頭が、画面が暗く、ちょっと眠かった。
だから見逃した要素があるのかもと思うと悔しい。
もう一回見たいかもしれない。
父と娘がトルコで過ごす夏の記憶。
ホームビデオみたいに自然な演技は見事だし、そこ>>続きを読む
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多角的な視点で描くというひとつの手法のお手本を見せてもらったような気がする。
安藤サクラ視点の話にミスリードがあることが続々と明らかになる。続けて、このタイトル自体がミスリードであることも。
この繊細>>続きを読む
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観る人を選ぶ映画だと思う。
ビジュアルや音楽といった、このあまりにも天井桟敷なアングラな世界観を受け入れられるかどうか。
私は最初、ちょっと面食らったし、J・A・シーザーの音楽は終始うるさいと感じてし>>続きを読む
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情報量多すぎないか? というのと、ちょっとマズい描写が多くないか? というのが二点。
あまりコナンは詳しくないのだが、たぶんだけれどファンが見たいシーンや、あるある=お約束が入れ込まれていて、アクショ>>続きを読む
ドキュメンタリーであり、引いた視点というか、淡々と撮られている。
それは良いし、利用者たちの声のなかに痛切な症状の吐露もあり、一方で創作の場面もあり、興味深い。
だが、さすがに淡々とし過ぎていて、かつ>>続きを読む
危なっかしい人たちの映画。
それは、なにか事を起こしそうとかじゃなくて、繊細で傷つきやすかったり、傷を覆い隠して生きようとする人たちだから。
世間では、生きるのが下手と呼ばれる、でも愛おしい人たちの映>>続きを読む