めんちさんの映画レビュー・感想・評価

めんち

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ネムルバカ(2025年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

平祐奈と久保史緒里のシーンに多くが割かれる。冒頭では、平祐奈演じるキャラクターが問題児に映るが、田口がエア告白するシーンを境に、ほとんどは平祐奈のほうが甲斐甲斐しく、まともに過ごすように見える。
なの
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ハイパーボリア人(2024年製作の映画)

4.0

内容こそ難解に見えるが、モチーフがオカルト全開で、そこにのってしまえば案外と観ていられる。上映時間が短いものよい(というか、この長さにしてはわりと疲れた)。
親の介護と、首相からの指示を受ける場面の、
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お嬢と番犬くん(2025年製作の映画)

3.8

良くも悪くも予想を裏切らない出来。
エンタメ映画として観るなら満点。
福本莉子が可愛らしくて、良い。
少し脚本が詰めすぎていて、感情の流れが早すぎる嫌いがあるものの、まあ及第点。
小林啓一作品にしては
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

分かりやすい面白さを担保できている映画だと思う。ヒット作として、週末映画館なにか観に行きたいね、というときに及第点はいっていると思う。
こういうタイプの、恋人が失われてて、かつタイムスリップする映画で
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白夜 4K レストア版(1971年製作の映画)

3.3

はなから勝ち目のない戦。
ジャックのインセルっぽさが、ドストエフスキーらしくて笑える。マルトと連続で発するあたりは、ものすごく笑える。
しかし、ストーリー自体はフラットで、わりと退屈に感じた。
靴の音
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

3.6

ユダヤ人であるデイヴィッドとベンジャミン(ベンジー)という従兄弟同士が、ホロコーストなどポーランドにおけるユダヤ人の史跡を巡るツアーに参加する。
まったく性質の異なる二人によるロードムービーという点で
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野生の島のロズ(2024年製作の映画)

4.2

傑作。ロズが島を周遊するショットは素晴らしく、そこでの動物の躍動感があればこそ、この仲間にロズが次第に迎え入れられていき、そして島の側に立つことの意義も出てくる。
序盤の、ロボットゆえのズレがおかしみ
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(2025年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ていねいな暮らしをする元教授の老人
教授職を、周囲のひとの言葉を真実とするならば早めに辞めているのは、何故なのか。
開示されている情報によれば、無自覚に加害性の濃い彼であれば、クッツェー「恥辱」のよう
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.3

榎戸洋司と鶴巻和哉の共演が楽しい
後半部分はさまざまな展開を予感させるが、前半部分のオマージュと偽史はどうなのだろう?
アニメなら1話のAパートで終わらせるべき話を引き延ばしすぎているようにも感じた

ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

4.2

人との関係とかは変わっていくのかもしれない。けれど、一緒に過ごしたあの時間や奇跡は、無くなりなんかしない

アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

3.7

一つのベンチを核に据えたオムニバス作品。
個人的には、生方美久の作品を初めてみる機会でもあり、そのユーモアの感じや温度感を堪能できてよかった。また、第二話の蓮見翔(ダウ90000)の脚本も、蓮見翔らし
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.1

こうすればよかったと"批評"してしまうことは楽だが、そうは言ってしまえない近さと強さがある。茫然とし、このタイトルと同じ問いが、頭のなかをぐるぐるとしている。
これは、ある特定の家族に深く触れるがゆえ
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

4.1

分かりやすい構図はあざとさすら感じるけど、それをギリギリで回避する情報の出し方とか遠景のショットが素晴らしかった。
日々は、ホテルでなされるベッドメイキングように、連続したコピーみたいに何気なく続くけ
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ラストマイル(2024年製作の映画)

4.1

資本主義のもとで、プロフェッショナルであるということはどういうことか。
片方の座標には、佐野配達の親子がいて、もう片方には山崎拓がいる。
指先でこのようになんでもできるようになった「奇跡」の裏で、どの
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ゼンブ・オブ・トーキョー(2024年製作の映画)

3.6

アイドル映画としてまず白眉な出来である。
ファンは楽しく、またファン以外も楽しめる要素がある二度美味しいような映画。
個人的にはもっと劇場で笑いが起きても良い気がする。意中の男子との接触を抜け駆けしよ
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ヒューマン・ポジション(2022年製作の映画)

3.1

何も起こらない、定点の遠景ショットが多く、さすがに眠気を誘われる。
ポジションがあることの特権。彼女らも、場所によっては、それこそたとえば日本では、奇異の目で見られ、安定した居場所を得られないかもしれ
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きみの色(2024年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

良くも悪くも吉田玲子節の効いたような脚本というかセリフ。
しかしそれは、山田尚子のリクエストを十二分に反映させたものである可能性が高い。なぜならそのようなちょっと幼稚性を含むようなものをも含み込むこと
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たとえ嵐が来ないとしても(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

フィリピンを実際に襲った台風を扱った映画らしい。
まず驚かされるべきは、その美術セットであろう。というか、これはどこまでがセットで、どこからがリアルなのだろう? あるいはその逆の問いも成立するが。
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.1

カナは何事にも、深くコミットできない。
世界に対して、膜を通して見ているような感覚であり、
それは彼女が、彼氏を乗り換えるところとか、共通の友人の死のニュースに触れたところからも伺かえる。
この映画の
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化け猫あんずちゃん(2024年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

あんずちゃんの魅力。
原チャリで現れたときの存在感。
それに尽きるのだが、しかしそれだけに収めてくれぬ不穏さがフィルム全体を覆う。

カリンの父は最初から怪我をしていて、早々に父と喧嘩して物語から退場
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新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

面白く観れるものの、タイトルロールを演じるならばもう少し藤吉夏鈴には頑張ってほしいところ。
ただ、彼女のキャラクター的に、振り回すより振り回されるほうが似合っていて、かつ役柄もそうなっており、それが翻
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

Don't Look Back In Angerのインスパイアの側面ばかりが記憶にあったが、こうして劇映画として見ると、紛れもなく京本と藤野の二人の映画なのだと突きつけられる。
特に藤野が、京本に対し
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関心領域(2023年製作の映画)

3.3

関心領域というタイトルも、アウシュビッツ収容所の隣から、明らかに「音」が聞こえてくるのだが、それがないものとして優雅な、「ドイツ的」生活が行われていることのグロテスクさの表現も良い。
しかし、それだけ
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千年女優(2001年製作の映画)

4.5

はちゃめちゃに面白かった。90分ほどの作品で観やすいのも高ポイント。
話としては、伝説の女優にインタビューしていると、彼女の過去の出演作の世界が、彼女が語り手をしているはずの現実の世界に流れ込んでくる
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.6

IMAXやDolby Soundでなくても音響がビリビリと伝わってくる。その点では、映画館に体験しにいくに足る価値のある映画である。
一方この体験の強度に比べて、シナリオの強度の弱さが気になる。それは
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リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.2

非常によかった。
最悪なピタゴラスイッチみたいに進むのだが、その「伏線回収」具合は、もっとマスに受け入れられるのではないだろうか。
アニメーション表現も脚本も良くて満足。
最後はこのスラップスティック
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海がきこえる(1993年製作の映画)

3.6

音楽が印象的で良い。
リカコはあまりにも自分勝手だが、このような造形は男性には難しく、氷室冴子の筆致を感じる。男性が書けばもっと媚態を帯びるか、ただ性格の悪い感じになろう。
また、メインたる男子二人の
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ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

3.9

これをどう評価すれば良いのか。
狐爪研磨の一人称が積極的に取り入れられ、それが負けたら終わりの試合への感情移入に役立っていることは否定できまい。
しかし、挟まれるカットは、原作やアニメ版を知らなければ
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ニンジャバットマン(2018年製作の映画)

3.4

バットマンをニンジャ的世界観に落とし込むことや、それを神風動画がやるのも面白い。
しかし個人的にはそこを超えてきてはくれなかった。

ラッカは静かに虐殺されている(2017年製作の映画)

3.8

権力の空白地帯にISが進行してきたという、敵の次は敵で、そんな中東地域の平和が訪れない様を描いている。
気になったのは、なぜISはこの空白地帯に、スムーズにアクセスできたのか。
そのあたりの、背景の描
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

anoは、「anoアニ」の効果が出たのか、特徴的な声が「おんたん」に合っており、またその声質が変わらぬなかに機微も感じられて悪くない。また幾田りらの声も、良くも悪くも特徴の薄い声なので、浮かずに、また>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

さまざまな「かもしれない」が出されて、しかし結論は曖昧なまま。
ミステリの言葉で述べれば、そんな多重解決のアンチミステリだろうか。
その分、カタルシスはない。
ただ、この映画はそれを含めて味わうものだ
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