光好尊

落下の解剖学の光好尊のネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原題は“Anatomy of a Fall”で邦題はほぼ直訳。
重要なことは、“a Fall”が夫婦関係のことでもあるということだが、それにしても少し退屈した。

ジュスティーヌ・トリエ監督はあえて平凡な設定であるという主旨のことを述べているは知ってはいた。

だから、“Anatomy”の部分は被告人や検事らの真実に対する向き合い方のことであるというのも理解が容易ではある。

しかし、主人公で被告人の弁護士である男の「事実かどうかは関係ない。君が人の目にどう映るかだ」という台詞は本作の中心的主題だが、そんなのは自明ではないか。

端々に出てくる「想像と真実を一緒くたにしてはならない」という主旨の台詞も自明だ。

言いたいことはわかるが、より大事なのは、なぜそれが当人にとって疑いようのない真実だと映るのか、ではないのか。

この点が十分に描かれていなかったと思う。
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