まさわ

落下の解剖学のまさわのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.8
この夫婦の喧嘩のおもなタネが妻の浮気(肉体関係だけで愛はないと公言)と家事負担の不公平感なのだが、これはひと昔まえならほとんど女性側が耐えてきたことだなあと感じた。「創作したいのに時間がない」とかさ。今でもまだあるかも。映画のなかでは夫側の不満が爆発してる。というのも、この妻はモラルハラスメント気味で、結局は仕事が成功してるほうが家庭でも主導権を握りやすい、稼ぎisパワー!な関係になってしまってる。男女関係なく、こうなってしまうのが人間なのかなあって。

最後の息子の証言がなくても評決は同じであったかもしれないが、作品のなかで息子は死んでしまった父よりも、いま生きている母と自分がどう生きていきたいか、「これから」のことを考えて、ああいう発言をしたのだなと思った。子供にこんな厳しい選択をさせる、とても残酷な物語。
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