こんな時代だからこそ愛を。
理不尽に職場を解雇され職探し中のアンサと工事現場で働くアル中のホラッパがカラオケバーで出会い、不器用ながら恋を成就させようと頑張る話。
ラジオからはウクライナとロシアの戦争の状況が流れていて今の時代が舞台でありながら、めちゃくちゃ古風な暮らしをする登場人物達。すぐに連絡先を交換してデートの流れで家まで行ってしまえば良いのにわざわざメモを渡してそれが更なるすれ違いを生み、、ゆっくりゆっくり進んでいく恋愛。
劇中、何度も｢捨てる｣という行為が繰り返されていて、時代からも世間からも置き去りにされているような2人がその捨てられそうになる何かと被った。そんな人達を除け者にするか抱きしめるか、静かに突きつけられているような気がした。
カウリスマキ監督作品のいつものごとく、極限まで感情を削ぎ落とした登場人物達は、ちょっとでも笑うとステキってなるからずるいわ（笑）ジム・ジャームッシュの映画(これ私公開当時爆睡した)で大笑いしたと言っていたアンサは、作品の中で1番の笑顔は映画のシーンでなく最後のウインクする瞬間だったり。
あまりにも日本の社会とは時間の流れが違うヘルシンキ。年末のプライベート仕事ドタバタに追われる自分が今1番必要としてるものがあった。
