大越

枯れ葉の大越のレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
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破綻した世界を破綻のない画面で描くことの意味。

映画的:調和であるならば、その楽観的な態度は世界の(映画の)希望になり得るのか?
少なくともジジイになってそのような態度でいることができるのは幸せだろうな。
幸運と言い換えた方が適切かもしれないが。

メモ
・あまりにも簡単にさりげなく奇跡が起きる。それは映画的な必然。(『希望のかなた』のカジノシーンに顕著なように。)
・訪れる不運も、簡単に回復する。
・破綻の瞬間は常に撮り逃される。戦争、受傷、事故。
・あくまでも画面に破綻をきたさない範囲で微かなノイズとしてでしか挿入されない破綻。矮小化された破綻。
・割れた鏡でさえも剥がれ落ちることはなく機能を保ち画面に調和している。
・瓶は割れない。人は倒れない。物がないので盗まれない。マイナスの調和とでも言うべきか。
・失職後、別れた後の孤独なショット。闇に溶け込むように歩く。マイナスの調和。
・参照される名画の数々。ブレッソン、ゴダール、メルヴィル、ヴィスコンティ、ジャームッシュ(笑)等々。
・映画館は奇跡が起こる場所。
・竹田の子守唄
大越

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