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枯れ葉のtenのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.8
積み作品はあるが観てこなかった初めてのアキ・カウリスマキ。
人間がいてその周りで起きるちょっとした出来事を、丁寧に、歌いながら、優しく切り取るんだな。経済の問題や戦争が生活に影を落とすが、それに対しての抵抗は愛や歌、いつも通りの質素な生活であること。スマホやテレビがないから一昔前なのかと思いきや、ラジオから流れるニュースは直近の世界情勢のものだったり上映されている映画は『デッド・ドント・ダイ』だったりと、"現代版古典映画"を観ているかのような不思議な感覚。派手さを取り上げないその感じがフィンランドっぽい。というかアキ・カウリスマキの特徴なのだろうけど、シャンタル・アケルマンのベルギー映画にも感じた。
生活の潔白さや質素さ故の、揺るぎない正しさのようなもの。
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