シトリン

枯れ葉のシトリンのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.0
静かで落ち着ける映画。滅茶苦茶好きだ。

面白い話かと言われたら面白いわけでもないのに、何故観ていられるのだろう、何故楽な気持ちで観れるのだろう。
大人の純粋さを保った男女が本当にもどかしいぐらいに不器用で何故か笑えて。
ジョークも一切言わないのに行動が滑稽でクスッとしたくなるのはフィンランドの国民性が反映されているのだろうか?

また、台詞少なめで劇中でかかる音楽がまるで2人の心を表すような演出になっていて日本の昭和映画のようでノスタルジックな感情になる。

病院出た時、アンサが犬と待っていてホラッパが嬉しそうな顔をしたこと、犬ががホラッパ見てしっぽ振ったのが言葉にしなくとも伝わるシーンでとても素敵だった。

アキ・カウリスマキ監督の低所得労働者の姿を丁寧に描くスタイルが本当に胸に残る。80分ってのがまた丁度良い。

もっと色々観てみたい。