「こちらの想像力に委ねる恐怖 "慣れる"ことの異常」
3/10の先行上映にて。
そしてアカデミー賞では国際長編、音響賞を見事W受賞。
音響賞の受賞は納得の音の使い方でした。
庭付きの大きな家に住む幸せそうな家族の暮らしを隠し撮りしてるかのようなヒキ画で淡々と映していくシンプルなストーリー
※ただしアウシュビッツ収容所の隣です。
という不気味な映画、アウシュビッツの中の映像は一切ないにも関わらず、遠くの方で聞こえてくる音声が、、という。
直接的に恐怖を感じる表現はないにも関わらずこちらの想像力と目の前幸せそうな風景とのギャップに恐ろしさを感じます。
関心領域というタイトルも秀逸で、この家族の話のみでない、見るものにとっても自らの興味のない事柄は見えない、聞こえないという風刺とも取れる。
この状況だけ見ると家族が異常にも見えそうだが経験上、人は"慣れる"生き物なのできっと他の人や我々でも同じ環境に身を置いたら気にならない生活になる気がするという我々の習性にも恐ろしさを感じます。
ただアイデア自体は面白いのですが、アイデア一点突破で長編としてはやや展開に乏しく途中ウトウトしてしまった。
アウシュビッツで起きたことは映画(シンドラーのリストなど)で基本的なことは知ってますが、より詳しく解像度が高ければ高いほどより詳細に想像ができるはずなので、何かしら下調べをして臨んだ方がより楽しめる類の作品と感じたので予習推奨です!川の描写とか自分には?でしたがわかる人には分かったらしいので。
新しい恐怖体験ができる作品です。