ゆきゆき

関心領域のゆきゆきのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

アウシュビッツ収容所の隣に暮らすナチス一家のホームドラマ。仲睦まじい家庭の風景と銃声や轟音が同居するおぞましさがずっと続きます。

当然彼らの生活は多くの犠牲の上で成り立っている。ユダヤ人を迫害することを生業とする夫と、彼らから奪い取った衣服や財産を享受する妻とその子供たち。この日常を夢に見た幸せな暮らしと言う妻には唖然とするが、これが実話だというのも驚く。

ラストに挿入される現代の収容所の映像。これはガラス越しに犠牲者の遺物を眺める行為も、平和な時代を生きる者によるホロコーストの一方的な消費ではないか、という問いかけに思える。劇中に強烈なシーンがあるわけではないが、見ていて終始居心地の悪さを感じる作品でした。
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