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関心領域のるのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

びっくりするくらい寝た、起きてても全然内容入ってきてないので体感8割くらいちゃんと観れてない
万年睡眠不足なのでちゃんと寝た状態で観に行かないと多分これ寝るタイプの作品だなとは予想してたけど、全然コンディション整えられないまま観たら案の定めっちゃ寝た

想像してた通り、アウシュビッツ収容所の近くに住む一家の生活をただ淡々と描く105分
この作品への向き合い方が、わたしの中のヒトラーやユダヤ人虐殺に対する関心の低さを如実に炙り出した感あるなと思った
同じくアカデミー賞でたくさんの賞を取ったオッペンハイマーは、難しいシーンや理解が追いつかないシーンがたくさんあったにも関わらず一睡もすることなかった
なんなら理解できない部分を自分で勉強した上で再度観に行くレベルで刺さった
これはわたしが日本人で、幼少期から広島長崎の原爆投下についての平和教育をたくさん受けたからここまで興味や関心、知っておかなければならないっていう使命感あってのことだと思う(大好きなノーラン監督作品という理由もあるかもだけど)
対して同じようにたくさんの評価を得ている今作はほぼ内容を覚えていないレベルで寝てた
この違いは、ナチス関連の情報はなんか世界史でやったけど覚えてないな〜とりあえずヒトラーは非人道的な人間であり、世界のタブー程度の浅い知識と、それ以上知ろうと思う気持ちがないからなんだろうなと思った
本当、分かりやすいほどに自分に関係があることにしか関心がなくて、改めて自分の「関心領域」の狭さを感じた
まじでこのタイトル秀逸だな、このタイトルが作品の全てを物語ってる

ちゃんと覚えてる範囲で感想を述べると、音が印象的だった
意識飛ばしてても不協和音が流れる度にめっちゃ覚醒した、それくらい音楽の不穏さがすごい
それとありふれた生活の背景で聞こえる誰かの叫び声や発砲音と思しき乾いた音
わたしは思わずセリフよりもそっちに耳を澄ましてしまったけど、あそこで生活してる人たちにとってはあれが日常で、あの音に対して特に何も感じない、若しくは感じなくなったんだろうな
慣れというか適応というか…
旦那が転属するから引っ越そうって言っても「あなた1人で行ってよ!わたしはここから離れたくない!」ってなるくらいにはあの場所での生活を気に入ってるってことでしょ
超近くで起こっている恐ろしい出来事も、自分には関係ないことと分かってるからこそ関心を向けずに完全にシャットアウト出来るんだよね
多分あの家庭にとってアウシュビッツ収容所から聞こえる音は、わたしでいう深夜に酔っ払いが外で歌ってるとか猫の喧嘩する鳴き声が聞こえるとか、その程度の認識なんだろうな
履いてるブーツに血がこびりつくような酷いことを人間に出来る割に、知らない人が散歩させてる犬を撫で回して「オスメスどっち?何歳?」とかにこにこ話しかけるような普通な部分もちゃんとあるのが厄介というか、人間のたちの悪さだよね
血も涙もない悪魔だけが酷いことをするんじゃなくて、自分の関心の範囲によって悪魔にも天使にもなり得るところが怖いよね、しかも大体無自覚だし

映画の中だけじゃなくて自分の行動や考え方などの現実とリンクしてダメージ食らうタイプの作品だったな
リピートするのはしんどいかも
この作品が刺さる人には「ヒトラーのための虐殺会議」をぜひお勧めしたい
これもわたしはめっちゃ寝てしまったけど、人間を殺すための会議が淡々と進んでいく様が異様で結構忘れられない
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