あーちゃん

関心領域のあーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

関心領域(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

悲劇は確実に認識できる位置に存在しているのに自分の人生には不思議なほど干渉・介入し得ないという非相関的関係性の奇妙さ、この映画は縮小された我々の世界を映しているんだなと理解した
あの長い塀のこちら側で生活できていることに安心し、それでもわたしはこれからも変わらず自分の両手を広げたくらいの範囲でとことん自分本位に生きていくんだろうなぁと思い、己の無責任さや無関心さに薄暗い罪悪感を覚えてしまった
怒声や悲鳴や銃声みたいなものが幾重にも重なり合ったような不穏で不快な音は現実の世界で収集されたモノを使っているらしく、上映が終わり劇場内が明るくなってもいつまでもどんよりとした陰湿な空気感で充満している気がした