トールキン

関心領域のトールキンのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
4.0
正直な感想で端的に言えば良く分からなかった部分が多い。賛否両論に分かれるけどそれでも個人的には賛成派。感想としてはごく当たり前だが見た人それぞれが何かしら感じ取り、脳裏に焼き付け、心に留める。個人的に強く思ったのが作品の雰囲気そのもの。不気味な雰囲気が嫌でも伝わってきて何度も目を覆いたくなる。
カンヌやアカデミー賞で色々賞を獲ってるのも妙に納得出来るかもしれないけれど、でも倫理的にこういう作品を世に出すってどうなんだろうか。よくこんなの作ったなと思ってしまう自分もいる。見た方のレビューを拝見すると自分じゃ分からない色んな意味合いや考察がたくさんあって一言では言えないような深いメッセージ性もあるのかもしれない。

塀を一枚隔ててその向こう側で何が行われているのか。視覚と聴覚に訴えかけてきて嫌な想像を何度もしてしまう。と言うか無意識に想像力を掻き立てられてしまう。終始に渡って第三者目線で遠目から傍観するかのようなカメラアングルも良い。

そして何と言ってもオープニングとエンディング、そして劇中のBGM。これまた聴覚に訴えかけてきて二度と聞きたくないくらいトラウマになるくらい耳を塞ぎたくなる。早くエンドロール終わってくれないかなってずっと思ってた。

個人的に確認なんだけど、これって家に住んでる子供たちを含めて家族みんな、塀の向こう側が収容所で実際に何が行われているのかを理解しているのか、全く何も知らされていないのか、おそらく前者だろうけど、理解している上で「無関心」で何気ない日常を送っているって改めて考えると同じ人間として鳥肌が立つほどゾッとしてしまう。そんな余韻を鑑賞後にジワジワと脳裏で感じてしまう。
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