非常に不親切な映画だ
アウシュビッツと塀を隔てただけの隣に住む家族の日常がなんの説明もなく淡々とドキュメンタリーのように流れていく
私の周りにいる若者、30代前半を含め
アウシュビッツを知っている人間がどれだけいるだろうか
学校の授業で聞いた事あるかも的な若者には何も理解できない非常につまらない作品だろうな
“歯磨き粉の中に隠されたダイヤ“
“誰かが着ていた毛皮のコート“
“効率よく荷を焼却する会議“
淡々とした会話と散りばめられた小物たち
一番ぞっとしたのは
“銀歯であそぶ子供達“
ガス室で殺された人の口から抜かれた銀歯で遊ぶ子供達に心底ぞっとした
記憶に残る子供時代のおもちゃがどこから来たのかを知った時
自分と家族が平然と行ってきた事の罪深さを知るんだろうな
春の素晴らしい天気の日にアウシュビッツに行った
美しすぎる場所に戦慄の遺産が音もなく存在していた
無数の靴
無数の鞄
つらすぎて目をそむけた過去の記憶が眼の前に突きつけられた
エンドロールに流れる叫びと不協和音
つらすぎてまた耳を押さえてしまった