定点撮影・引き気味ショットで動かない。異常な日常を普通に描いた映画。
異常な毎日に慣れていくのは凄く怖い。
はじめはその異常さに抵抗感はあるが、次第に自ら声を上げるのもめんどうになり、狂気に適応せざる負えない経験はたくさんしてきた。
誰もが経験したことはあるだろうこの鬱屈とした感情、
無関心というあきらめ。
異常さから離れ、解放されてからいかにおかしかったかに気がつくのだ。
途中記憶が飛ぶも(睡魔)、後半の子供たちが庭で楽しそうに遊び、その家の壁の向こうから黒煙が立ちあがり、大量虐殺がまさに今行われている描写にぞっとした。
ラストも、現在と過去が交差し、壁の向こうにいた多くの人々の存在があらわになる掃除のシーンが印象深い。
静かにしかし熱く、こちらに訴えかけてくる映画だった。初見では見落としてしまうシーン解釈がたくさんある気がする。
2回見たほうがもっとわかるかも。。。