関心領域のおとのネタバレレビュー・内容・結末

良かった…のだけど、これを105分の映画として映すのは長いのかなとも思った。
賞を総なめにするような、独創的で衝撃的なCMとしては最高に素晴らしいなと思ったりしたのだけど、なんとも間延びしていた感が否めない。

映画の内容としてはタイトルの通りで、無関心の様を感じろ、といった内容だった。
淡々とした映像の中で、映像として映っている外の部分での音としてだけ聞こえる収容所の様子を想像してくれといった内容。

ただこの映画を見て感じたのは、アウシュビッツ収容所に対する無関心ではなく、自分以外の家族に対する無関心を強く感じた。
特に主人公ルドルフの妻ヘドウィグの自己中ぶりは半端なく、ルドルフがいなくなることへの悲しみではなくアウシュビッツでの生活が崩れることに対する恐怖しか持ち合わせておらず、終いには「私たちは離れていても一緒よ」という心のこもっていない言葉に鳥肌が立つほど戦慄した。
あの一言がこの映画の中で一番恐ろしかった。

評判ほどのものは感じなかったけれど、ジョナサン・グレイザー監督の静かな叫びが聞こえてくる良質な映画だったと思う。