このレビューはネタバレを含みます
口コミにもあるけどどんなホラー映画よりもホラーだったし本当にゾッとした。エンドロールまで。
強制収容所が解放された後、知らなかったというドイツ人に対してユダヤ人の人が言った言葉「いや、あなたたちは知っていた」。
まさにそんな映画。
一見平和な生活に見えてみんなちゃんと影響を受けてる。
途中で帰ったお母さんは視聴者と同じ立場でその異常性に気づいて距離を置けた人。
でもそこに住んでる人たちはその異常性に無関心かというと実はそういうわけでもなく、心のどこかでちゃんと影響を受けていて、でもどこにも行けなかったからこそ受けいれて、ここは素晴らしい場所だと思い込んでる。
イカれてるように見える奥さんが初っ端からユダヤ人の人の服を着て口紅して、引っ越すことも嫌がるのは、最初一生懸命自分に嘘をつこうとしていてそれが日常になったんだろうなって思った。
この状況、みんなおかしくなるのが普通だしおかしくならなかったら本当に怖い人だと思う。
家に聞こえてくる音も当時聞こえてただろう音を再現しているようで、もう本当にいろいろ凄い映画。
映画でしかできないことをやってくれた!
実際、現在の日本国内でも海外でも起きている多くの悲劇を、自分は知ってるけれど、考えてもどうにもならないし悲しくなるから考えないようにしてる。
人間て実はみんなめちゃくちゃ弱いのに力だけ手に入れちゃったなぁと思う。