けーはち

成龍拳のけーはちのレビュー・感想・評価

成龍拳(1977年製作の映画)
2.8
愛した女を冷酷に捨て、父と共に賊と戦う総督の息子が、女盗賊の境遇に感情移入してしまい、奇妙な関係へ?──武侠活劇にしては愛憎、義理人情、友情と裏切り、恩讐の絡む複雑な展開を見せる。上手く纏まれば良かったが、70年代コテコテ香港映画ゆえ案の定、登場人物全ての行動が行き当たりばったりにしか見えなくなるのは是非もなし。そもそも最初から、女を守るためなら別に酷い別れ方なんてしなくても良いのだし……

「花蜂党」という花のマスクと蜜蜂をあしらったナイフのファンシーないでたちの賊軍団、その女頭領が主人公ジャッキー・チェンを圧倒し、闘争心を煽り鍛え上げるため彼の顔に焼きゴテを当てる報われない狂った悲恋劇のアイデアには部分的に面白みは感じはするが。