このレビューはネタバレを含みます
こんなにハグしたくなる映画が
他にあるだろうか。
「生きてりゃみんな俳優なんだよ!」
最高である。
楽しみにしていたのに劇場に行けなくて
ほぼ予備知識なしに自宅で鑑賞。
前半コロナ禍の居心地悪い展開から、
後半まさかの
素晴らしいじゃねぇかチクショウばりに
爆笑⇔号泣。
松岡茉優氏は勝手にふるえてろから
大ファンであるが
この作品は正に会心の一撃。
メチャクチャな振り幅のキャラクターが
魅力たっぷりである。
軽薄そうで実はチョーイケてる(笑)
長男の池松氏、
窪田氏は空気読めないいいヤツ。
佐藤さんは言わずもがな。
久々に集まってバラバラの子どもたちに
困りながらも幸せそうな
あの表情が何とも言えず愛らしい。
登場する映画関係者や携帯ショップ店員、
ホテルの社長らは
明らかに世の中の不誠実や理不尽の象徴であり、
わざとデフォルメされている。
コロナだってあくまで背景であって
そのものを描こうとしているワケではない。
このあたりを不快に思われる方は
避けたほうがよいかもしれない。
きょうだい喧嘩のシーン爆笑。
殴り込み(→オチ)のシーン痛快。
まさかのアベノマスクギャグ
(しかも肯定的)も発明的ですらある。
技巧的に優れた作品とかではないかもしれないが、
説明し難いまでのエネルギーに満ちた作品だ。
こんな宝物のような作品を創り出した
石井監督には拍手と感謝をお贈りしたい。
※公開時にパンフレットだけ買っていて
初めて開いたがとても興味深かった。
監督はモニターを殆ど見ない方だとか。
特によかったのが「はなこにっき」。
松岡氏の感性やプロ意識が伝わってくる