かえるのエリー

タイタニックのかえるのエリーのネタバレレビュー・内容・結末

タイタニック(1997年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

現在も洋画では日本で興行収入1位に君臨している作品(ちなみに世界だと3位)、正直3時間超えの大作でこの記録は本当に凄いと思う。それほどに観客を魅了したのは、フィクションとノンフィクションのハイブリッドが絶妙だからか。実際のタイタニック号探索シーンから始まり、そこを訪れた100歳越えのローズの語りで一気に時代は遡る。

地上波で部分的に観た事を除けば、今回ガッツリ観るのは劇場以来多分2度目。故に冒頭のローズの肖像画が出てきただけで目が潤む。新たな発見は2人の出会いのシーンの伏線が半端ないことだった。

かなり大掛かりなセットが組まれたけれど、船体全景などはCGが多用されており、すっかりそれに目が肥えた2021年の我々が見ると、そのクォリティは低く感じてしまうが、沈んだ船体が新品に蘇っていくエフェクトや、内装の再現度は実に素晴らしい。そして観ているうちにCGか否かなどどうでもいいほどに物語に没入できる。

パニック時ほど人の本質が見えると言ったか言わぬか、本作も沢山の良き人とクズが登場。良き人代表はキャシーベイツ演じる(愛を込めて)成金夫人。「しあわせの隠れ場所」の立ち位置同様で、ピタッとハマる。クズ代表はやはりフィアンセを。生理的にアイツの顔が嫌なもんで余計に(笑) 親とはぐれた子供への対応がジャックと正反対。他人を蹴散らして生き残り、後に自殺とはね。フッ。

ローズの板にジャックも乗れたのでは?とか、ジャックを海の底に沈めやがって!など、公開時は野次も多かったが、あの極限状態の中で誰が正しい判断など出来ただろうか。死んだ目をして乗船したローズが、ジャックに出会い命を吹き込まれた。その命を大切にするためにホイッスルを鳴らすローズを見て、涙腺崩壊したのは私だけであるまい。「千と千尋の神隠し」もだけど、生命力を吹き返すのって大好物なんだよなぁ。