Chip

タイタニックのChipのレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
5.0
子どもの頃から何度も観た作品。
10年以上ぶりに観るけれど、かなり細部まで覚えていた。

昔見たときは単純に、ローズとジャックはロミオとジュリエットのように身分の違う禁断の恋だからお互い強く惹かれ合ったと思っていた気がする。
カゴの中の鳥であることに絶望していたローズ。ジャックの自由でたくましくて美しい、お金がなくても健康な身体と絵を描く紙があればいいと言い切る心にふれたら、それは好きになってしまうよね。
「本当のパーティー」ではしゃぐローズは本当に楽しそうで、上流階級の人々との上品な食事会での死んだ目とは正反対だった。

沈む船を前にして、全てを受け入れて死にゆく人々の姿が悲しい。
人々が逃げゆく喧騒をよそに、「こんなもろい船を作ってすまなかった」と言いながら時計の前で静かに最期のときを過ごすトーマス・アンドリュースさん。

混乱の中でも人々の気持ちを落ち着けようと最期まで演奏を続ける演奏者の人々。

浸水する部屋のベッドで寄り添う老夫婦。
人を撃ってしまったことに責任を感じて銃で自殺してしまうマードック一等航海士。

物語のラスト、
タイタニック号沈没の際に亡くなった人々に見守られながら、約束の時計の前でジャックに再会するローズ。ここでまたボロ泣き。
アンドリュースさんもマードックさんも演奏者の人々も、脇役だけどなんだか好きだったなあ。彼らのこんな温かい笑顔を、現実でも見られたらよかった。

24年前の作品だなんて信じられないね。
名作すぎる。
"Make it count" 今を大切に。
Chip

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