Chip

線は、僕を描くのChipのネタバレレビュー・内容・結末

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

家族を亡くして無気力に生きる霜介が単発の設営バイトで水墨画と出会い、水墨画の巨匠に内弟子として見初められる話。

冒頭の、椿の水墨画を見て涙を流す横浜流星にもらい泣きする。

美しい映画だった。
水に溶ける真っ黒な墨。
光を受けてキラキラする、椿の赤。
夕陽に透けるススキの穂。
水墨画の紙を翻す姿。

それにしても江口洋介さん演じる西濱湖峰がカッコ良すぎる。
庭仕事や炊事の係かと思いきや、湖山先生のピンチの際には代理でフランスからの来賓の前で描けるほどの腕前を持ってるなんてずるい…!

千瑛さんと霜介がありがちなラブコメな展開にならないのも良かった。
きっとお互いに惹かれあっていたのだろうけど、「あなたの描く絵が好き」と言い合うシーンが良かった。

命の大切さを知ってから、手を合わせていただきますをして食事をするようになった霜介の変化も良い。

どことなくちはやふるっぽさを感じると思ったら製作陣が同じだった!あと音楽がちはやふると同じ横山克さんだった。

何枚も何千枚も描いて描いて、自分の内面と向き合って行くんだな。命をも描くんだって。
生まれて初めて水墨画って凄いな、美しいなと思った。
Chip

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