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累 かさねのChipのレビュー・感想・評価

累 かさね(2018年製作の映画)
3.8
原作が好きで、すべて読んだ数年後に映画化されていたので観た映画。

土屋太鳳さんの舞踊はさすがだった。表情も惹き込まれる。ニナと累の駆け引きが怖い。
時々、あれ?今どっちがどっち?と分からなくなるし、
今はどちらが上手を行っているの?とハラハラする。
土屋太鳳さんも芳根京子さんも、演じ分けが凄いな。

ニナにも累にもいい顔をして甘い言葉をかける羽生田が一番悪い。。透世さんのことが一番大切で、ニナも累ももう一度透世さんの面影を見るための道具だったんだよね。

累役の芳根京子さんは顔に傷があっても美しさを隠せてなくて、醜い役なのに、冷たい表情の美しさにハッとする瞬間があった。

累が「サロメのプレッシャーで飲みたい気分なの。一杯付き合ってよ」と言いながら赤ワインを飲んでニナをはめるシーン良かったけど、累はおそらくこれまでの人生で一度も酔っ払ったことなんてなかったんだろうな。特に入れ替わりを始めてから、一瞬たりとも気を抜けない、張り詰めた精神で生きていた気がする。そんな累だから、圧倒的な演技力を持っているということなんだろうけれど。

自分が不定期に何ヶ月も眠ってしまう病気だったとして、
やっと目が覚めたら知らない間に誰かが自分に成り代わっていて、自分自身は何ヶ月も前に置いてけぼりなわけで、自分なのに世の中が知ってる自分は自分じゃなくて、それって本当に気持ち悪いだろうね。
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