このレビューはネタバレを含みます
この作品も「名作」と呼ばれ、もちろんタイトルや有名なシーン等は知っていた。だけど見ること自体は何故か避けていて、色んな人に見るべきだと薦められ今回初視聴。
「愛」とは儚く美しいもの。ディカプリオがそれを体現してくれた。ディカプリオの造形がとにかく美しい。彼がそこに立っているだけで1つの作品が出来上がってしまう。
階級社会や男女差別など、その時代の情景もしっかり組み込まれており、場面場面でその差別により葛藤し苦しむ姿が垣間見え、見ているこちら側も辛かった。
ジャックとローズは愛し合っていた。あれがきっと「運命の出会い」というものなのだろう。だけどローズの婚約者も、ローズを愛していた。愛し方がジャックとは異なっていただけで。
音楽やら映像やら何もかもが美しく儚かったのは間違いない。だけど私はジャックとローズが一緒に生き残れなかったことが本当に辛い。辛くて仕方がない。
ローズがジャックを胸に抱き、生き続けていたとはいえ、やっぱり2人で幸せになって欲しかった。その美しく儚い恋愛を、本当に儚いものにして欲しくなかった。
だが、タイタニック号は海に沈み、沢山の人々がその尊い命を海の底に沈めた。
その様子を見ると、そんな贅沢な事望んではいけないのだろうなと思う。
3時間、非常にあっという間だった。
ジャックとローズの2人を見ていたらいつの間にか船が沈没していた。
3時間なんて中々に長い時間なのだが、それを“あっという間”に感じたということは、それ程この映画が魅力的であり、吸い込まれる作品であったという事だと思う。
でもあまりにも私からすれば辛いお話だったから、「また見たいか」と問われたら、簡単には答えられない。その質問は私にとって愚問である。
2024.33