Rosso

タイタニックのRossoのレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
4.7
紛う事無き傑作。
タイタニック号が社会の縮図と化してますね、沈没に慌てふためくパニックメインと申し訳程度の恋愛映画かなと観ずに偏見を持っていた私、死刑です。

細かい設定が生きてるんだよなあ、挙げるとキリがないくらい全部拾ってる。
パニックに陥って日常じゃ見えない本性が露わになる系、よくありますけど、タイタニックの場合は前半の丁寧な人物描写シーンにて十分各々の人達が非常時にどう振る舞うことになりそうかが示唆されてると思うんです、それが至高。
さらにレオ様演じるジャック、ショーシャンクのアンディと同じDNA有してるでしょ、本質を見抜き不条理下でも希望を忘れない、そして周りを感化する。
しかしまたここで秀逸なのは凝り固まった大人はその異分子を排除しようと努めるわけだな、ここで人間のできている主人公によって皆が感化されましたとなると一気にトーンダウンなのだが、さすが社会の縮図を模しているタイタニック、絶妙ですよ...!!

アナザーストーリーであの4重奏の弦楽器奏者に焦点当てたのも見てみたいっすね、おそらく音楽という人生の軸を持っている故にああ振る舞えたんやろし、あとはやっぱりここでも湧き出るか絶体絶命時に宗教を翳してそれに寄りすがる系烏合の衆も的を射ていたなあ

兎にも角にもギルバートグレイプのアーニーを1mmも感じさせないレオナルド・ディカプリオのジャックよ、カッコ良かった。
仮に映画がコケてもレオ様の演技で興行収入は沈没しなかったと思いましたが、神クオリティなので杞憂ですね。
タイトル総ナメも納得です。
Rosso

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