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タイタニックのYRFWのレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
4.6
ジャックはローズの生き方を変えた。
タイタニックという不朽の名作を一言で表したら自分はこうなる。
ローズはジャックへの愛の為、未来を省みない行動を取る。ただそれはローズの価値観をジャックが変えたからである。

ジャックがフルハウスを揃えることなく、タイタニック号に乗船していなかったら。

タイタニック号で自死を考えたローズ。
現状の人生に酷い苦しみを抱えていたからである。そこにジャックが現れる。
そこからのローズは、今を生きる、という言葉通りに心と行動を一致させ素直に動く。
価値観が完全に変わったのだ。
ジャックに出会っていなければ、ローズは何かしら理由をつけ納得できない苦しみと共に人生を歩んだだろう。
ダイヤを海に投げ捨てる老婆には間違いなくなっていなかった。
ローズにとってそれが、良かったのか悪いかったのかは誰にもわからない。
もしもの世界でしかないのだから。
ただ今を生きる、とはもしもの世界を作らない、考えないことだ。
幸せは比較するものではない。誰かと、もしくはもう1人の自分と比べて幸せを実感するのではない。不幸せと幸せは対義語ではない。幸せなのか自分に問い、それだけで答えを出さねばならない。
ローズは老婆になった時、幸せだっただろう。それでいいのだ。
その要因がタイタニック号にあるのなら、ジャックは乗船した意義は大いにあった。
ジャックは命を落としたが、ローズの中に
生きていた。あのダイヤが証だ。

人は誰かと絶えず出会い、影響を与えあう。良いものも悪いものも。幸せにしたり不幸せにしたりしてしまう。誰しもがそうだろう。
運命なんてものじゃなく、映画のように偶然ばかりだ。その偶然を大切にしたいと思う。
だからこそ誰かに良い影響を与えられるように日々生きていくことを目指さねばいけない。悪い影響を与える可能性が低くなるように努力しなくてはいけない。それが巡り自分の幸せになったりするものだ。誰かの為に生きることのできる人生は幸せと呼べるものになるのかもしれない。
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