ノラネコの呑んで観るシネマ

ペナルティループのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ペナルティループ(2024年製作の映画)
4.1
恋人の山下リオを殺された若葉竜也が、犯人の伊勢谷友介を自らの手で処刑する一日の、無限ループに閉じ込められる。
ループ物は数あれど、これはなかなか新しい。
普通のループ物だと、時間に閉じ込められるのは主人公だけ。
でも、これは違うんだな。
これはポスターでも示唆してるからネタバレではないと思うが、本作の時間ループは人為的に作り出されたもので、ループの登場人物たちがその記憶を持っていることが重要。
この仕組みによって、殺す方と殺される方の関係性が物語の進行と共に変わってゆく。
非常にユニークな作品で全く話の行く先が読めず、次どうなるの?と言う興味だけで最後まで持ってしまう。
ただ、どんどん謎を深めてゆくのはいいのだが、話の畳み方は少々問題ありで、絶賛までは行かないのがもどかしい。
広げ続けた謎に対する答え合わせが、あまりにも中途半端でストレスを感じる。
もちろん物語の中で提示した謎、全てを解き明かす必要は無いだろう。
だか観客が「こう言うことかな?」と想像出来ることは必要だと思う。
少なくとも、主人公が伊勢谷友介の動機を聞かないのは凄く違和感があった。
犯罪被害者の遺族が、真っ先に聞きたいことじゃないの?