HidekiIshimoto

太陽 デジタル・リマスター版のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

4.5
uplinkで一回だけのひっそり上映。ちょうど天皇主義者三島由紀夫の『豊饒の海・奔馬』の再読中だったのでタイムリー上映。主人公が天皇ってやっぱり尋常じゃない。ってとこにこそ日本の特殊性があるかと思う。コミカルなローマ法王映画はあるけど天皇でそれはならぬわけで。マジメにコミカルに形態模写したイッセー尾形はどんな覚悟で臨んだんだのか?身の危険感じなかったのか?もうそんな時代でもないか。三島由紀夫がもしこれ観たら泣くのか笑うのか?天皇主義者でも超俯瞰者の三島は両方な気がする。言っとくけど俺右翼じゃないし左翼でもなければ無党派でもノンポリでもない尾翼です。さらに言っとけば天皇主義者でもなければ神道でもない無宗教。けど宗教全般にそそられてておてんとう様、つまり太陽だけは崇めております。最近は量子をたてまつっております。人間なのに太陽としてたてまつられつつ、崇めるフリした軍賊どもに利用され尽くした昭和天皇という人間を描いたこの映画、面白くないわけがない。ひっそり独りで人間宣言するイッセー天皇に俺も笑って泣いた。ソクーロフやっぱり凄い。