鍋山和弥

乱れるの鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

乱れる(1964年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

『レイコ』と、『コウジ』の、義理の姉弟の、恋愛を描いた作品。この作品内で、『レイコ』は、『コウジ』の兄と、結婚したが、その兄は、半年の結婚生活の後、戦場で、戦死したという、経緯がある。戦時中であるにも、関わらず、結婚したのは、それだけ、愛し合っていたという証。そんな夫の弟の、『コウジ』には、やはり、亡き夫の、面影が、あるのだろう。無職でも、つい、甘やかしてしまう。だが、『コウジ』の、その無職で、女遊びの激しい理由が、実は、『レイコ』を、愛していたからということを、『レイコ』が、知った時、『レイコ』は、『コウジ』を、意識してしまう。それは、ますます、亡き夫と、ダブってしまうからだし、『コウジ』の、『レイコ』を、強く思う理由は、きっと、『レイコ』の、亡き夫と同じだろう。兄弟、2人して、同じ女性を、愛した。境遇が、違えば、純愛と呼べる物だと思う。ただ、世間体だとか、亡き夫への思いが、それを、邪魔しただけ。いや、障害が、あるからこそ、ますます、純愛と呼べる。最後、『コウジ』は、崖から落ちて、物語を終えるが、あれは、僕は、『コウジ』の自殺だと、思っている。やはり、『レイコ』を、純粋に、愛していたし、『レイコ』以外、誰も、見えなかったということだろう。恋は、盲目というやつだ。そんな『レイコ』と、結ばれないと知っての自殺。僕は、そう考える。だが、血は、繋がってないのだから、この恋愛は、成り立って欲しいという思いが、僕にはある。これだけ、愛し合っているのだから、・・・・。
鍋山和弥

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