ノラネコの呑んで観るシネマ

四月になれば彼女はのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
4.0
オマイら全員めんどくさい・・・・。
精神科医の佐藤健が、世界中を旅しながら手紙を送ってくる元カノの森七菜と、突然失踪した今カノの長澤まさみ、二人の女性の間で「愛を失わない方法」を求めて葛藤する。
シンプルな感情をこねくり回し、結果として心の迷宮にハマってしまった人しか出てこない。
一番病んでるのは森七菜の父さんの竹野内豊で、気持ち悪さすら感じさせるのだが、他の登場人物もたいがい変だよ。
まあしかし、ぶっちゃけ友だちになりたいタイプではないものの、自己愛強めの登場人物たちの物語は、個人的には決して嫌いではない。
村上春樹もどきと言う批判も分かるが、それこそが作り手の狙いなんじゃないかな。
例えば「ドライブマイカー」の夫婦と比べると、この映画の人たちはそのずっと前の段階で、愛し方愛され方が分からないと嘆いてる未熟な存在。
でもこの凡庸さ、恋愛までたどり着けないめんどくさい大人たちも、現代のリアルなんじゃないだろうか。
恋愛映画のテンプレ的な要素が目立つのも、もしかしてあえて・・・では無いだろうけど。