カツヤ

四月になれば彼女はのカツヤのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

 邪悪!!!!これで泣いてた隣の女の子分かんないよ、東京の女の子どうした?
 別に恋愛映画なので恋愛至上主義、結婚至上主義的なところを責めるつもりはない(ウチに合わないってだけなので)のですが、佐藤健演じる主人公の為だけに世界が動いているような、転じてシスヘテロ男性中心的に動いている社会の縮図のような人間関係にくらっときてしまいました。なんか佐藤健ずっとカッコいいしな…。
 徹底的に俺の気づき、成長のために用意される周囲の人たち、しかも大して成長したように見えない。女性たちはいつまでも佐藤健が大好きで、森七菜に至っては執着としか思えない。これはおじさんの妄想と言われても致し方ない。
 最後のシスターフッド的に見えるシーンも、どうしても健常者-病人の上下関係が透けて見えてしまって楽しめなかった(二人のつながりが結局共通の男性を介しているのもいやだ)。男-女、健常者-病人、異性愛者-同性愛者という階級さが常に画面上に立ち現れ、映画は前者からの視点のみで進められる。
 ゲイにちあきなおみやらせるなら『エゴイスト』くらいやってもらわないと困るし、ゲイ男性をヘテロ男性にとっての脅威として描いているように見える。尻が軽いゲイ男性、「一人で生きる覚悟」を押し付けられるゲイ男性、ヘテロ男性に好意を寄せるゲイ男性、ヘテロカップルへのありがたい助言を与えるゲイ男性、そういう偏見を助長するような描かれ方はもううんざりです。
 ともさかりえの様な"強い女性"にケアの役割を押し付け続けるのやめてください、俺たちの森七菜をあっけなく殺すのやめてください、ウチの彼氏(中島歩さん)のなさすぎる人物像やめてください。精神疾患持ちに対する偏見を助長する様な展開やめてください。
 予告編で観たウユニやチェコ、アイスランドといった土地土地の魅力も楽しめるかと思って期待していたのだけど、旅行映画とするにはあまりにもあっけなくて興醒めだった。あと回想シーンが多いのは勝手だけど、時系列が分かりづらくて『パルプ・フィクション』かと思った。Twitterとかで「私には難しかった」というコメントたまに見つけたけど時系列のせいだと思うし、難しいていうか制作側が悪いだけでは?!
 『余命10年』期待して行った自分がバカでした、大人しく家で『パレード』観ます♪

好きだったとこ↓
森七菜、中島歩の演技
森七菜がアイスランドのブラックサンドビーチにいるところ
中島歩から電話を受けた佐藤健が渡り廊下で佇むショット
佐藤健が現像室に入る直前の中島歩
佐藤健が現像室で写真を現像するときのシークエンス
キーとして使われる長澤まさみのポートレイト
藤井風「満ちてゆく」


ともさかりえ「なんでそんな状態で結婚したの?」←ともさかりえにこれを言わせんな
カツヤ

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