カツヤさんの映画レビュー・感想・評価

カツヤ

カツヤ

悪は存在しない(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

緊張感のある鑑賞体験だった。
冒頭のシークエンスから感じる、その音楽の特別さと映画全体の静けさ、寡黙さ。そこにあることをそこにあるように描く。水は上から下へ流れる、木の中では水は下から上へと吸い上げら
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関心領域(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

アウシュビッツ収容所と塀を隔てて隣接する、所長一家の日常を定点カメラで観察するように映し続ける、観たことのない特異な映画。
まるで箱庭のようにきちんと整備された庭、夢遊病の娘、怒りを抑えられない母、一
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同級生(1998年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

1999年にクィアのためのロマコメがあってくれてありがとう。『ハートストッパー』や『とても素敵なこと』を思い出してにんまりしながら観たけど、その当時の切実なゲイの青年の気持ちを鮮やかに描きとっている、>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

1.8

このレビューはネタバレを含みます

 邪悪!!!!これで泣いてた隣の女の子分かんないよ、東京の女の子どうした?
 別に恋愛映画なので恋愛至上主義、結婚至上主義的なところを責めるつもりはない(ウチに合わないってだけなので)のですが、佐藤健
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私が女になった日(2000年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

正午を知らせる木の棒、船の帆になるスカーフ、謎の自転車レース、買い物リストの代わりに指に巻いた紐、シュールな設定に笑いながらも、その風刺性・政治性の力強さに慄く。特に少女の置かれた立場の不当さをただま>>続きを読む

かづゑ的(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

素晴らしかった。
ハンセン病についてであり、パートナーシップについてであり、老いについてであり、そして親子愛についてでもある。病によって受けた差別や偏見、夫との生活、病と老いによって思う通りに動かなく
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

素直に面白い映画だった。観る前は2時間半長いなあと思ったけど、始まってからは冗長さを一切感じさせない展開。
基本的には裁判モノ?サスペンスという体を取りながら、犯人探しというよりも私たちのモノの見方そ
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

幼いころの環境の大切さ、ひとときでも人の温かさや愛に触れることがその人の一生を変えてしまえるほどの出来事になる可能性を持つ
小さな画面からフレームインフレームを通して覗き込むようなあたたかなカメラは私
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WILL(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なんて魅力的な人なんだろう、人たらしってこういう人のことを言うのだろう。
周りを惹きつけてしまう朗らかさ、でも簡単には信念を曲げない強さと勝手さ

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

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『パトリシア・ハイスミスに恋して』観たし、なんか読んでる本もハイスミス出てくるし、『Saltburn』観たし、さすがにこれは観ておいた方がいい啓示…♪と思い観ました

クィアな映画だった 特にフィリッ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なんて素敵な映画。途中からだいたい目が湿っていた…♪
隣人に興味を持ち、時に介入すること。自分は助けられなくても人を助けることはできるということ。ケアの倫理についての話であり、私たちそれぞれが抱える生
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パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ハイスミス自身のキュートで憎めないキャラクターとその文章の数々、確かに彼女に恋をせずにはいられない。
同時に1940〜50年代を生きたレズビアンたちのリアル、老年の孤独(そしてそれは彼女が生きた時代の
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Here(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます


故郷に帰る前、冷蔵庫を片付けるためにスープを作り、周囲に配り歩く男。苔類学者の女。苔類を研究する行為と、ふたりの人間のなんでもない日常を具に観察していく様子が重なり合う。
世界への愛、信頼に溢れてい
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Saltburn(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

話題になっていた『Saltburn』、支配欲・執着心に関するダークなコメディ映画だった。
Barry Keoghan演じる信用できない語り手にまんまと翻弄されてしまった…一族のOliverへの偏見に満
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

自殺を試みるも、外科医により自らの胎児の脳を移植され蘇生した主人公の成長物語、という気味悪設定のファンタジー映画、エンドロールのあいだニンマリしてしまうような作品だった。よかった!
父(God)から生
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ウォーターメロン・ウーマン(1995年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

架空の映画『思い出の農園(プランテーション)』(白人主演の映画でこれ、ふざけた/挑発的なタイトル)で女中役を務めた"Watermelon Woman"(フェイ・リチャーズ)の正体を巡るモキュメンタリー>>続きを読む

金田一少年の事件簿 上海魚人伝説(1997年製作の映画)

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予想外のBL!!!!!!!!
Xで読んだ通りのウォン・カーウァイ、黒沢清ぽいショット、てか本当にあらゆるショットが印象的すぎる カメラマンの登場シーンとか中尾彬の殺害シーンとか最高だった
ローラーブレ
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