shiori

四月になれば彼女はのshioriのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
4.0
半年くらい前に、この映画の予告でアイスランドの海岸線の映像を見たときに絶対に見ようと決めて、でも公開までの半年を待てなくて、その時先に原作を読んだ。
読了後すぐにピンと来るものがあった訳じゃなくて、でも色々な人と会って話をする中で、徐々に感じるものがあった。

この歳になって、"目の前の相手への愛情"以外の要素(そこまで好きではないけれど1人になりたくないからとか、周りが結婚していくのに置いていかれないようにとか、今から新しい相手を探すのが面倒だからとか妥協とか)でとりあえず一緒にいる/結婚する、みたいな話が増えてきた印象があって、
愛にも色々な種類があると思うし、パートナーに何を求めているかもあると思うけれど、そういう風な話を聞く度にいつもなんとなく思うところがある。

弥生が言っていた"私たちは愛することをサボった"という言葉、愛は頑張らなくてもそこにあるものなんじゃないのって思っていたから今まではあまり分からなかったけれど、今ならすごく分かる気がする。
ラストシーンのセリフも、原作を読んだ時からその繊細で破れそうな美しさに泣きそうになったけど、これからもずっと覚えてるんだろうと思う。

尺の問題もあって描ける範囲は限られていたと思うし、原作と少し設定が違ったからこそ深度の違いはあるのかなとは思ったけれど、主題へのアプローチの仕方が共通していて良かった。そして映像のシンメトリーさが麗しかった、主題歌も冒頭の歌詞からマッチ度5000ですごく好き。

いつかウユニには大事な人と行くとずっと前から決めていて、実物見たらもう泣いちゃうんだろうなと改めて思った。
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