Kaz66

四月になれば彼女はのKaz66のレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
4.5
(それこそが川村元気の才能なのだろうが…)
周到に準備された「恋愛がないことを物語にした」“恋愛映画”
これはヤラレました!大ヒットの予感…

(直近作だけでも…)「ラストレター」「すずめの戸締り」「怪物」の企画・プロデュースをこなし、「百花」では自ら監督も行った川村元気。今作では原作者として位置付けられてるが、まさに彼のトータルプロデュース力が現れた作品と言っていいのではないだろうか。
監督は、米津玄師/あいみょん/宇多田ヒカルらのMVを手掛けてきた映像作家:山田智和の初長編デビュー。撮影監督に藤井道人の盟友で「新聞記者」「余命10年」「百花」を撮った今村圭佑。
主人公フジに佐藤健、フジとの結婚目前に失踪する弥生に長澤まさみ、フジのかつての恋人:春に森七菜、フジの友人に中島歩・仲野太賀、弥生の妹に河合優実、と旬の俳優陣。
音楽:小林武史、主題歌:藤井風 と盤石の布陣。
ウユニ・プラハ・アイスランドのロケを含め、とにかく画がめちゃくちゃ綺麗(MVテイスト)。
同じ人の二つの時代の“想い”を交互に描き重ね、その像形のズレから“恋愛のない時代”の恋愛映画を浮かび上がらせてゆく。
ラストシーンからエンディング曲の♪満ちてゆくが流れるところまでは、用意された寓話と分かっていながらも“ウルっ”ときちゃいました。
あまり評価は高くないようですが、個人的なツボは押されまくり…、お客さんも沢山入ってましたし、皆んな満足そうに余韻を楽しんでました。
Kaz66

Kaz66