佐藤健、長澤まさみ、森七菜、仲野太賀、中島歩、河合優実という大優勝すぎな出演者たちなのに、事前情報からはまったく惹かれるものが感じられなくて「これは配信待ち確定だな」と劇場スルーしといた作品。いやぁ、あの判断は正解だったな。
まず圧倒的に気色悪いのが、「精神科医と患者の恋愛」はあり得ないってこと。そもそも診察以外であんなにぺちゃくちゃ喋ったりしないて。
弥生(長澤まさみ)のセリフにも、いちいち引っかかる。動物園の獣医ってのも含め、「モテない男子が妄想する、身近にいてほしい女子」っぽいんだよな。セリフくさいセリフばかりで現実味がなくて、なんだかAIみたいよ。長澤まさみは大好きだし今作でも美しいのに、いや、だからこそよけいにイラッときてしまうわ。
他にもおかしなところが多数あって、話に全然入り込めない。まずは学生時代の元カノ・春を演じる森七菜、彼女じゃなきゃダメな理由が何かあるの?さすがに年齢差がバグってるでしょ。
それに手紙は10年ぶりなんだよね?引越しもしたんだよね?どうしてちゃんと届くの?そして入院先を、彼女はどうやって見つけたの?
あと、どんどん細かい指摘になってくけど、中島歩のペンタックスってあだ名も不自然。最初はそう呼んでたとしても、長年付き合ってくうちに絶対「ペン」とか「ペンタ」とか省略されてくって。ただ、久しぶりに会ったってのにこんなワガママなお願いができる、学生時代の友だちっていいなとは思う。
バーのマスター・タスク(仲野太賀)も多少狙い過ぎてはいるけど、良いキャラ。厳しいことビシッと言えるのかっこいいし。彼の歌声が私は大好きなので、思いがけずカラオケシーンがあって嬉しいし!
まとめると、川村元気を応援したい界隈としてあえて厳しく断罪するなら、「2004年からタイムトラベルして来た人が、岩井俊二に感化されて製作したものの、足元にも及ばなかった界隈」な作品。
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