シネラー

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインドのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
「仮面ライダー555」の20周年記念作であり、
TVシリーズから20年後を描いた
本作を劇場鑑賞。
個人的に好きな仮面ライダーとしては
5本指に入れる位に好きな555だが、
本当に夢の続きを描いてくれた
続編にとても満足した気持ちになった。

物語としては、
大企業スマートブレインが人類の進化形
オルフェノクの殲滅を掲げており、
園田真理や仮面ライダーカイザこと
草加雅人がオルフェノクを庇護する
活動をする中、
数年前に姿を消した乾巧こと
仮面ライダーファイズが再び現れる
内容となっている。
TVシリーズからの正統続編で
人間とオルフェノクのジレンマという
555らしい展開が描かれており、
生々しくもある人間模様が
とても555らしかった。
PG12らしく冒頭から
グロテスクな描写があるが、
そのシリアスな部分が
初期の平成ライダーを感じさせる
要素でもあった。
それでいてシリアス一辺倒ではなく、
明るいコメディ要素もあるのは
良い塩梅だと思った。
戦闘場面はふんだんにあり、
新たに登場する仮面ライダーミューズ
との戦闘が中心となるが、
ラスボスと対峙するファイズの戦闘が
BGMに挿入歌共に胸熱な展開で、
観たかったものが本当に観られたという
満足感に溢れていて良かった。

しかしながら、
本編の尺が一時間程しかない為、
キャラクターの描写や展開が全体的に
説明不足な印象を受けた。
TVシリーズで死亡しているキャラクター
が再登場した理由も描かれるが、
本当に端的な説明で終わっていると思った。
欲を言えば、一時間半位の尺で本作を
楽しみたかった。
加えて、本作で新たに登場した
ネクストファイズにネクストカイザの
活躍らしい活躍が無く、
別に新形態を登場しなくても良いように
感じられてしまった。
又、結末に関して言えば、
555のTVシリーズからの続編という
意図が強く描かれていた
『仮面ライダー4号』の方が雰囲気
として555らしかったと思う部分もあった。

戦隊もライダーもここ十年程で
アニバーサリー作品が増えているが、
ファンの期待を裏切る作品もある中、
同一キャストのスタッフで製作される
良い続編で心から良かった。
出来れば、ディレクターズカット版を
製作して欲しいと思った。
シネラー

シネラー