のんchan

世界のはしっこ、ちいさな教室ののんchanのレビュー・感想・評価

3.9
3カ国の僻地で奮闘する女性教師たち。子供たちの未来を願い指導する姿をカメラが追うドキュメンタリー。

◎ブルキナファソ🇧🇫
サンドリーヌは新任教師。自身の子供2人を実家に置いて、6年の任期で600km離れたインフラのない村へ派遣された。
1年生50人程を任されるが、5つの言語が飛び交い公用語のフランス語がまず通じない。
自分の名前をフランス語で話させることから始めるのだった。


◎ロシア🇷🇺(シベリア)
スヴェトラーナはベテラン。トナカイの牧夫の家庭出身だが、自身は寄宿学校で学んだ。両親と一緒に暮らせなかった寂しい思いがあったため、同じエヴェンキ族の子供たちには現地にいながら教育が受けられるよう、トナカイのソリに乗りキャンプ地に赴きテントを張る。そこで10日間づつ指導して回る移動教室をしている。


◎バングラデシュ🇧🇩
タスリマは22歳。モンスーンで1年の半分が水没してしまう地方のボートスクールに派遣された。授業はカラフルなボートの中で行われる。
タスリマも子供の頃に洪水で家を失っている。
バングラデシュは貧しさで学費も払えない家庭が多く、勉学より児童婚をさせられる子供たちが多い。タスリマも10代で親に結婚を勧められたが、女性が活躍する未来を信じ高校を卒業して教師になった。その為もあり授業で児童婚の犠牲にならないように啓発している。


三者三様の生徒への接し方だったが、共通するのは子供たちをしっかりと未来へ繋げたい、その熱意と覚悟は一緒。学期が終わる時の生徒の成長に驚かされた。

作り手側の意欲も伝わる良質のドキュメンタリーでした。
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