Kuuta

グランツーリスモのKuutaのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
3.5
現実とフィクションの境界が溶け出した世界を描く作品が、近年はVRの普及の影響もあるのかかなり増えている。今作は「ゲームが現実を塗り替える」ことを本当にやってしまった実話。タイムリーな題材だ。

ゲームは子供の頃よく遊んだ。ハンドルは家にあったし、メチャクチャなチューニングでエスクードの前輪を浮かせて曲芸運転とかもよくやっていた(事故のシーンでそういう記憶も蘇った)。
効果音がゲーム準拠な小ネタ、ライン取りを巡るあれこれなど楽しめた部分もあるが、わりと淡々と見てしまった。グランツーリスモというゲームの魅力の掘り下げに乏しかったのがやや肩透かしだった。

自分の世界に引き篭もる、仮想現実へのジャックインのキーに、音楽が使われている点は目新しかった。エンジンが爆発し、部品が軋む音を立てることで没入度が高まっていく編集。仮想現実への介入がウォークマンで図られるソニー映画でもある。
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