このレビューはネタバレを含みます
エンタメ映画としてはどうしようもなく楽しくて、師弟関係、親子関係、恋人関係、全てがすっきりとした味わいながら、温かさがある。
爽快感も主人公の成長も余すことなく描かれていた。ゲームと本番のレースが繋がっているような映像的な面白さもあるし、ほんとこれどうやって撮ってるんや…ってなる良さもあった。
ただ、気になってしまうところがあって、
・レース以外のシーンのカメラワーク、あんまり決まっていない。ギャンギャンにMVみたいに動かすからテンポ感もあるけど、絵は決まってない。結構中途半端。
・遺族への配慮がないこと。事故によって亡くなった人は主人公が成長するためのただの壁となる。勝手に落ち込んで、勝手に強くなっている。人の死を受け止めずに、勝手に乗り越えた。劇中でも無視されてるみたいに徹底的に描かれない。
これが結局、勝てば官軍的な、実力主義的なものを感じてしまって、「あぁ結局君らはそうだよね」と思ってしまった。
だから主人公の幸福の下にある誰かの不幸に、結局思いを馳せてこの映画が終わった。
総じて「ベスト・キッド」の方が好き。（伝われ）
