ドネア

グランツーリスモのドネアのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.8
もう、凄く面白かった。男が好きそうな物全部ぶち込んだ挙句最高の出来だった。
レースゲーム得意な若者を育て上げて現実のレーサーにしようとかいうイカれたシナリオでそれを実際に日産がやり遂げたってのが凄い。

最初にグランツーリスモというゲームの説明。そもそも日産の開発チームが現実のレースやチューニングを体感できるように開発されてきたと説明がある。ここは普通に広告かと思ったけど映画の導入部分だった。そしてこの限りなく現実のレースに近い素晴らしいゲームをやりこんできた若者なら実際のレースでも活躍できる!ゲームの世界しか見られなかった若者達の夢を広げることができる!と広報担当?のダニーがGTアカデミーの企画を立ち上げる。
そこに過去に伝説のレーサーになるはずだった落ちぶれたメカニックリーダーのジャックが誘われ参加。
そして幼い頃からずっとレーサーを夢見てきたけど親の理解を得られず自費で買ったレーシングゲームにふけってるヤンの3人を主軸に話が進んでいく。

熱い想いがある割に世間体や話題性とか資金とか現実的な部分を気にするダニーと、ゲーム野郎に本物のレース出来るわけねーだろ!ってブチギレるジャックと、気が弱いけど本気の覚悟でずっと夢だったレーサーに挑むヤンの3人が成功と挫折を経験しながら徐々に信頼し合って一つの夢を追っていくのもう少年漫画の筋書きよ。
大事故で自信失ったり自責で潰されそうになってたヤンにジャックが自分の過去を打ち明けて今走り始めなかったらもうレーサーに戻れないぞ的な言葉もカッコ良い。
ル・マンの24時間レースでチームが必要なのに世界からの信頼を失って協力者が少ない時に、アカデミーで潰し合ってきたライバルが参戦してくれるのも熱い。
主人公機が日産GT-Rからマクラーレンに変更になるのもワクワクする。(なんで?って思ったけど日産とマクラーレンは業務提携してるとかなんとか…)

エンディングでヤン本人の写真見せてくれるのも良い。あと映画のスタントマンで本人が出演してるのも最高だった。

余談だけどアカデミー選抜生はほとんどアメリカかヨーロッパ系。ヤンはイギリスの田舎ウェールズ出身。ネトゲ最強国の韓国人も1人いたけど実務でリタイア。日本人が居なかったの寂しいけど、ロケ地が東京なので結構楽しい。
グランツーリスモがそもそも日本のゲームで日産がかなり開発に関わってるの全く知らなかった。
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