“ゲーム“ってワードに引っかかって、うっかりスルーするところだったけど、観て良かった!
思いがけず夢中で観てしまった。
ゲームでしか車の運転を経験したことがなかった青年がプロのレーサーになるまでの前代未聞の挑戦。その凄さに圧倒された。
ヤンはいかにして夢を掴んだのか…。
ドライバー発掘プログラム「GTアカデミー」での過酷な訓練、集められたトッププレーヤーたちとの友情や対立は勿論、関わった技術者やマーケターたちの情熱が奇跡を生んだのだった。
リアルなレースシーンとゲーム画面とがシームレスに切り替わっていく映像に鳥肌。リアルは勿論、バーチャルな部分にさえリアルを感じる本物への拘りが、荒唐無稽な話に唯ならぬ説得力を加えていた。
また、主人公以外の登場人物もとても魅力的だった。とりわけ彼らを指導しチーフメカニックとして並走するジャック(デヴィッド・ハーバー)がめちゃくちゃ魅力的。
何処までが実話?…
調べてみると、実話と銘打つには諸々の疑問が残るとの事。
ただ、少なくともGTアカデミーは実在し、そこから優れたレーサーが排出されたというのも本当の話で、それだけでも十分な驚きな訳で。
そもそも日産とPrayStationの発想と試みが凄すぎて、もはや諸々の脚色なんてどうでも良くなるくらい。
主人公のモデルとなったヤン・マーデンボロー本人もレースシーンのスタントドライバーとして登場している。
出来ることならスクリーンで観れば良かったなぁ…
明らかにスクリーン向き、迫力も音響も何よりエンジン音は雲泥の差があったに違いない。
大ヒットしたゲームにも関わらず「グランツーリスモ」の存在も知らなければ、勿論プレイした事もない。けれどゲームの世界がここまで進化していたとは!
感動と驚きと興奮を見事な緩急で引き込み、映画としても大満足!
何より、日産の取り組み、グランツーリスモ、ゲームクリエイター山内一典さん…と、全てが勉強になった。