コマミー

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のコマミーのレビュー・感想・評価

2.8
【蔑まれながらも】




"ジョニデ"のあの泥沼裁判以降、初めての大作映画は、"全編フランス語"で演じ、"ルイ15世"を演じるという何とも"豪華絢爛な作品"であった。監督は「モン・ロワ」の映画監督兼女優である"マイウェン"。マイウェンも本作での主人公にあたる"ジャンヌ・デュ・バリー"を演じ、フランス革命前に起きた宮廷内での王と娼婦上がりの女性の"愛と差別と偏見についての物語"を描く。

何とも"複雑な人物相関"の作品だったなと感じた。ジャンヌがルイ15世の愛人になるまでの境遇もいろいろ複雑だし、宮廷内での女性たちも女性たちで立場や運命も決められてるけど、ジャンヌのような女性はもっと"運命は残酷"なのだなと感じた。
そしてルイ15世がつくづく男としてダメダメなのは確かなのだけど、ジャンヌへの宮廷内からの目が厳しい中、ルイ15世と数少ないジャンヌを支持する人達が周りを気にせず、ジャンヌと小姓に迎えた"黒人の少年"を擁護しているのを見ると、ある程度は大事にされたのだろうなと感じた。

ただ、ジャンヌと"デュ・バリー公爵との関係"を含め、よく分からない人物相関も多々あり、割とそこが荒削りな描き方だなと感じた。そしてマイウェンがジャンヌを演じるのもなんか違くって少し疑問に感じてしまった。確かにマイウェンはジャンヌや宮廷内の事をめちゃくちゃ研究したのは間違いないのだけど、ジャンヌの人物像的にマイウェンが演じるのは少し無理があった。
前半もかなりローテンポで少し寝てしまった。結構グダグダな方ではないか?

ジョニデの貫禄と豪華絢爛なヴェルサイユに助けられた映画であった。後半は割と引き込まれたのだが、疑問が残る点も多いし、前半の娼婦時代のシーンがとにかくグダグダで残念だった。ジョニデも演技面としては正直本作では活かしきれてない。凄い残念な作品だった。

ただ、当時のフランスの宮廷内事情を知るには良い機会な気がした作品だったのでした。
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